筋筋膜性疼痛症候群・トリガーポイント施術 ラムサグループ

高血圧は薬で下げるな!

今月は、NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)理事長で医師の「浜 六郎」氏が書かれました「高血圧は薬で下げるな! (角川oneテーマ21)」の概容をご紹介します。

概容

  心臓は規則的に収縮して血液を血管に送り出しています。この働きによって生じる血管内の圧力が血圧です。
この圧力が高すぎると危険だという事で血圧のコントロールがなされていますが、これを消防自動車に例えて考えてみましょう。

 火災を起こした高層ビルに水を放水するには強い圧力が必要です。これと同じように、血液を身体の隅々まで届くようにするには一定の圧力が必要となります。 特に激しい活動をしているような時には血圧を上げる必要があり、このような時に血圧が上がらないと、組織は充分な酸素と栄養が供給されないため、組織(特に脳)の働きが鈍くなります。ですから血圧が高いことがすなわち「悪」ではありません。

 消防車のホースが破れてはいけないからと、ポンプの圧力を制御すると燃えさかる高層ビルの消化は不可能ですし、「ホース大事」のあまり火事を消火できないのでは、何と為の消防車か分かりません。
 人の場合も「血管大事」のあまり、身体のあちこちで酸素不足、栄養不足が起きて、免疫機能が低下し、感染や細胞のガン化を防ぐ機能が悪くなります。

 2000年に血圧の基準が変更され130/85とされ、2004年にはこの基準がすべての高齢者に適用される事になりました。しかしこの基準は本当に正しいのでしょうか?確かに下が120以上という重症の高血圧の人が、脳卒中や心筋梗塞になりやすいのは間違いないのですが、問題はどのくらいからが危険なのかという事です。 
 今回の基準の元になった「HOT研究」によると、確かに血圧を下げると心筋梗塞になる人は、血圧をコントロールしない人よりも少なくなります。しかしその差は僅かで、しかもすべての病気での死亡者数はほとんど変化がなく、しかも癌の発生率が上昇するというデータがあります。

 もともと日本人の場合、心筋梗塞での死亡は少ないので、血圧を下げてもあまり意味がない上に癌の発生率が上がっては元も子もありません。しかも軽症、中等症の高血圧患者はもちろんの事、重症の高血圧患者でさえ、降圧剤で寿命が延びたと言える確実なデータは、日本でも外国においてでもないのです。
 一方、薬には必ず副作用が伴います。降圧剤も例外ではありません。上記のように降圧剤による発ガン率の上昇も副作用といえます。また久山町では住民を対象とした疫学研究が為されていますが、降圧剤を使用した人と使用しなかった人を比較した場合、14年後の自立度は、血圧が高い人でも低い人でも降圧剤を使用しなかった人の方が高かったのです。
 降圧剤を使用する目安ですが、新基準の130/85は低すぎて話になりません。旧基準の160/90でもまだ低すぎると思います。71歳以上の高齢者なら降圧剤の副作用を考えると180/100では必要ないでしょう。180/110を少し越えている程度では慌てて降圧剤を使う必要はありません。
 それよりも、軽い運動やストレッチを励行する(血管が丈夫になります)。深呼吸(特に吐く息を強くして)を行う。よく睡眠を取ることを心がけて下さい。

ramtha / 2010年7月25日