筋筋膜性疼痛症候群・トリガーポイント施術 ラムサグループ

書籍紹介・・・「ストレスに負けない脳」

 

ストレスに負けない脳 ―心と体を癒すしくみを探る」  Bruce S. McEwen with Elizabeth Norton Lasley 早川書房

痛みを持つ患者さんは一般的に「ストレスが多い」と言われますが、「ストレス」というのは外的な要因ではなく、起きてくる現象をどのように価値判断するのかという「内的」な問題です。 またストレスと感じてしまうとそれは全身性の問題となってきますので、その意味で「ものの見方、考え方」や脳がどのように反応しているのかを学ぶ事は、痛みの治療家にとって必要不可欠だと思います。

心にとまった文章

 脳は何がストレスで、何がそうでないかを判断し、そしてその結果、心血管系や免疫能、精神面に影響が及ぶ。では脳は、ストレスを感知したときしか体に影響を与えないのだろうか。ストレスを感知していないときでもストレス反応を意識的に鎮め、体を健康に保つことができないだろうか。

 問題は「アロスタシス」※が私たちを危害から守るようなしくみになっているため、悪い情報が優先されることだ。恐怖や痛みは痕跡をはっきり残しながら脳を駆けめぐって生体システムに直行し、最善の方法で対処する。
 恐怖や感情の中枢から理性を司る大脳皮質に行く神経回路のほうが、理性を司る部位からストレス反応の中枢に戻る回路より密であるのは興味深い。愛の言葉や安心させたり勇気づける言葉、希望をもたらすメッセージなども体に影響を与えうるが、恐怖や痛みほどの効果はない。危険にさらされながら進化してきた動物たちのなかでは、肯定的な感晴がどうしても二の次にされてきたのである。

しかし、思考や行動を繰り返すことによって、脳の神経ネットワークの機能だげでなく構造も変えうるということを忘れてはならない。

 ※アロスタシス:ストレスに対して、身体が対処し続けている状態。 ストレスによる負荷に対して頑張って均衡をと保とうとしている状態。

ramtha / 2010年8月2日