次の論文は2001年のものですので、情報が古いと思われるでしょうが、腰痛に対する手術への警鐘として重要な情報だと思います。手術を勧められている方などに是非読んで頂きたいものです。
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腰痛の専門家たちは腰痛患者に手術を行うことをためらい始めた。米マイアミビーチで開催された第17回(2001年)米国疼痛学会年次集会で,マイアミ大学総合疼痛・リハビリテーションセンターのRosomoff博士は,腰痛患者に2週間のリハビリを行ったところ、手術の必要性がなくなったという事実を受け,腰痛患者への手術を見あわせるよう呼びかけた。
腰痛に対して手術を行った後も痛みが持続し,他の治療法でも改善しない腰痛が知られているが、同博士は発表の中で「私の考えに基づいてアプローチすれば,手術の99%は避けられる。実際,腰痛を適切に評価すると手術の確率は500分の1になる」と述べた。
同博士によると患者に集中的な術前リハビリ・プログラムを始めたところ、2週間後には手術が必要なくなったと言うのである。同博士は「腰痛急者への手術は一時的に凍結し,リハビリを行うよう患者を指導すべきだ。どのような患者にも,6か月間のリハビリが終了するまで手術を行ってはならない。患者の99%は手術対象からはずれるはずだ」と主張した。
さらに「腰が勝手に悪くなるのではない。医師が悪くするのだ」とし,「慢性化した腰痛の原因は,手術前の段階で腰痛の成因が誤診されている事にある。多くの場合痛みの根源は脊椎や周囲の神経ではなく.むしろ筋肉や靱帯などの組織にある」と述べた。
腰痛に対する手術は確固たる地位が確立されており,多くの外科医が手がけている。しかし,患者に手術を勧める前の段階で適切な保存的治療(カイロプラクテイック,理学療法,注射による治療,低侵襲手術など)を試みようとする外科医は少ないのが現状。しかも腰椎になんらかの手術を受けた患者の10~40%は改善しないまま慢性化する事が分かっており、これからも増え続ける恐れがある。
(Medical Tribune 2001 4 19 の記事を要約 )
腰痛は筋肉のトラブルとして捉え、それに「不安」や「ストレス」など心理社会的要因が絡み合って、痛みを増幅したり慢性化させたりしているとみれば、痛みを解消する道は見えてきます。
上記のような情報がもっと広まる事が望まれます。
ramtha / 2010年8月3日