腰の痛みがつらくなり、医療機関を受診すると、MRIやX線撮影が行われます。その結果「腰椎がつぶれている」「椎間が狭くなっている」「椎骨が変形している」などの指摘を受け、これらが痛みの原因とされることが多いのですが、これら椎間板の変性と痛みとの関係については、はっきりと関連性があるとは言えないのです。
下図をご覧下さい。これはTMS-Japanの長谷川淳史先生が開催されています「TMSメソッド」でしようされているデータですが、「腰痛患者」と「健常者」のデータが入れ替わっているんじゃないか?と言いたくなるほど、腰に痛みを感じていない「健常者」でも、腰椎の変性は多く見られるのです。
腰痛患者(200名) | 健常者(200名) | |
脊椎すべり症 | 1.5% | 2.5% |
腰椎移行椎 | 13.5% | 9.5% |
潜在性二分脊椎 | 3.0% | 26.0% |
椎間狭小 | 21.5% | 31.0% |
変形性脊椎症 | 20.0% | 34.0% |
脊柱側弯症 | 30.0% | 45.5% |
腰椎前弯過剰 | 1.0% | 2.5% |
腰椎前弯減少 | 22.0% | 22.0% |
骨粗鬆症 | 1.0% | 2.5% |
椎体圧迫骨折 | 0.0% | 10.5% |
また、腰に痛みを感じていない方でも、椎間板ヘルニアは76%も見つかります。 ※詳しくは「構造的アプローチから機能的アプローチへ」を参照下さい。
このような事から、椎間板の変性が痛みの原因であるとは言えないのですが、かと言って、人体の複雑精緻な機構のすべてが明らかになっているわけではありませんので、「関連性がない」という証明もありません。
これらのことについて、京都市の鍼灸整骨院を経営されている江原吉昭先生がブログに書かれていますので是非ご一読下さい。
http://eba2005.exblog.jp/15548157/
ramtha / 2010年12月15日