テレビのスイッチを入れたら、毎週日曜午後の定例番組の「 たかじんのそこまで言って委員会」が放映されていた。 その中で習近平の娘が偽名を使ってアメリカで生活し、 そこに多額の資産が蓄えられているなど、 中国共産党幹部の多くは、 家族や財産を欧米諸国に分散していることが話されていた。
真偽のほどはわからないが、近年経済発展著しい中国では、 国民の経済落差も著しくインターネットの普及もあり、 国民大衆の政府に対する不満も爆発寸前まで蓄積されているとの報道もある。
香港の一国二制度は二〇四七年までとなっているとか。 香港では今日学生による民主化運動で騒いでいるが、 中国共産党の党独裁体制はそれまでに崩壊しているのではないかという委員もいた。
この番組は大衆受けする放談会の趣があって、 鵜呑みにする訳にはいかないが、 もしその発言の様なことが現実のものとなったらと考えると、 中国に最も近い日本はどんな影響を受けるか計り知れない。
中国共産党の独裁制が崩壊したからと言って、 十三億人ともいわれる人民のすべてが、 選挙という民主主義手法によって選ばれる新しい政府を支持し、 その統治に従うとは思われない。秩序維持のため、 今日強力な軍の力を持って弾圧されている周辺少数民族は、 一斉に独立蜂起するだろうし、共産党内部でも、 今まで冷や飯を食わされていた非主流派による権力闘争も激化するに違いない。
今でさえ日本に密航してくる中国人は少なからずいると言うのにそ のような事態が発生したら、 どれだけ押し寄せてくるか予測もつかない。 そして日本国内の社会秩序を根底から揺さぶりかねないことになるだろう。明日も知れない老骨がこんな心配をしているというのに、 安倍総理は何を考えているのだろう。
自民公明与党の絶対多数を確保しているにもかかわらず、安倍さんは年末解散に踏み切った。中国、韓国との関係がぎくしゃくしていること以外は、それまで比較的順調に経過してきたのに、先月行われた内閣改造も何のためか理解できなかった。
自民党内の大臣待機組のガス抜きかと推測してみたが、 二年そこそこで大臣を更迭するようでは、 大臣各位も腰を据えて自分の政策を実現するなどできないのではないかと疑問に思ったことであった。
その内閣改造が裏目に出て、小渕優子経済産業相が政治資金問題で、松島みどり法務大臣はうちわ配布事件でつまずく事態を招いた。 賑々しく放った経済対策も第三の矢は的に届くか疑わしい有様。 これ以上支持率の下がる前が得策という思惑で解散に打って出たの かもしれない。
しかし野党からは「大義なき解散」とか「安倍政権延命解散」「 安倍ノミックス行き詰まり解散」とか批判されているようだがそう言われても仕方がない。
この際、安倍総理のご都合主義に冷水をかけてやりたい気にもなるが 、さりとて積極的に応援したくなる野党もない。 こんな思いを託するのは棄権しかないのか。
しかし、小選挙区制度の選挙で棄権しても、その選挙区の議員の足を引っ張るだけで、安倍総理に鉄槌を食らわせることにはならない。 今回こそ安倍総理個人の是非を問う全国選挙民による直接選挙がふさわしいと思うが、残念ながら今の制度にはなく、安倍さんの野望とは無関係な多くの議員を巻き添えにし、六五〇 億円とか言われる巨額な無駄遣いをすることになる。安倍総理よ、 自分のための選挙か、国家百年の未来を切り開くための選挙なのか、 今一度胸に手を置いて反省してもらいたい。
(平成二十六年十一月二十三日)
ramtha / 2015年5月4日