海外旅行もせず不勉強な私は、今まで漢字を使用するのは、中国、朝鮮、台湾と日本だけだと思い込んでいたが、今朝の新聞でそうでは無い事を思い知らされた。
毎年暮れの行事となっている「今年の漢字」は、 1995年に始まり今年は二十回目で、 「税」が選ばれた事は先日のテレビで承知していたが、今朝の毎日新聞の「余録」によると、この一字で世相を表すイベントは、中国では2006年から始まり、今年は「法」。台湾は2008年から始まり、今年は「黒」が選ばれたということである。
中国の「法」は共産党中央委員会で法治国家建設が、最重要課題となったことを反映しているが、いかにも官製的でネット上では腐敗官僚の横行に「腐」「妖」を推す声もあったと解説している。
台湾の「黒」は三月、立法院を占拠した学生らは中台のサービス貿易協定が「黒箱」(密室)で作られたと批判。違法な原料で作られた食用油「黒心油」も社会問題となったことを記している。
なお漢字を使う中国系人口の割合が多いシンガポールとマレーシアでも2011年から行われていて、シンガポールは「乱」。タイのクーデター、台湾や香港の学生運動、ウクライナ紛争など国際的な混乱を反映したもの。
マレーシアは「航」。三月にクアラルンプールから離陸後間もなく失踪、 七月にはウクライナで墜落と、相次いで悲劇に見舞われたマレーシア航空機事故を取り上げているもののようである。
漢字の本家の中国に最も近い韓国では、日本の真似などしたくないという反日感情からか、行われていないようである。
韓国の今年の漢字を私が代わって選ぶとすれば、先ごろ問題となった大韓航空機社長令嬢(同社副社長ということだそうであるが)のピーナッツ・リターン事件を取り上げ「返」としたらいかがなものかと考える。
日中、日韓共にギクシャクした国交関係が続く中、中国と韓国の対応の違いは何を意味しているのだろうか。私には明快な回答は持ち合わせていないが、興味深い問題ではある。
(平成二十六年十二月二十七日)
ramtha / 2015年6月12日