新聞報道によれば、先頃のイスラム国による日本人拘束殺害事件についての政府の対応について、調査委員会を設置して検証することにしたという。しかしその記事を見ると調査の対象には政治家は除外されるということのようである。政治家が除外されるということになると、調査の対象は外務官僚だけということになるのだろうか。どうも納得がいかない。
そもそも今度の事件について、殊更に調査委員会を設けて調査するということは、今回の対応に疑念があるとする世論の存在を、政府が認識していることを示している。
行政府がその施行した業績を反省し、今後の政策施行の指針とすることは当然のことであるが、今回の調査は事件に対する国としての対応の是非を検証するもので、単なる事務処理を問題としているものではない。とすればその対応に関係した安倍総理を含む政治家が除外されては意味がないではないか。
事件直後にも私の見解を述べたが、後藤さんと湯川さんがイスラム国に拘束されていることを承知しながら、安倍総理がカイロでイスラム国を刺激する発言をしたことの軽率な行動が反省すべき核心であり、それ以外の何物でもない。
この期に及んで仰々しく調査委員会を設けて云々するということは、安倍総理の失態を他に転嫁し隠蔽するためのものとしか思えない。検証の結果発表によっては、さらに国民の不信を招くことになりかねない。政府はそれを十分に認識して対処すべきものと思われるが、賢明なる諸兄のご意見を伺いたいと思っている。
(平成二十七年二月十二日)
ramtha / 2015年6月29日