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「歎異抄を読む」

「筑前飯塚雛(ひいな)の祭り」で、麻生大浦荘、伊藤伝右衛門邸や飯塚本町商店街などでは、新旧さまざまなお雛様が飾られ春の賑わいを招いていると伝えられているが、生憎の雨模様でどうだろう。私はひたすらストーブにかじりついて寒さを凌ぐばかり。

先日来、新聞広告に誘われ取り寄せた高森顕徹著「歎異抄をひらく」を見ることにする。
柄にもなくこんなことをするというのも、三途の川が近くなったからだろうか。

歎異抄といえば親鸞聖人、親鸞聖人といえば歎異抄と言われる事は耳にしていたが、未だ目を通したことがない。親鸞聖人については、学生時代に倉田百三の「出家とその弟子」を読んだことがあるが、七十年以上も昔のことでほとんど忘れてしまった。

そんな昔のことを思い浮かべながら読んではみたが、期待していた宗教的雰囲気を味わうことなく、極楽浄土のイメージなのか、桜花爛漫のカラー写真を挟んだ装丁の本で、読者からの読後感動のメッセージを、表紙の帯に掲げるなど、「売らんかな」の商売気が鼻につくもので、がっかりした。せっかく購入したのだからと一読したが、内容は同じことの繰り返しで、全くの期待外れであった。

信仰心の欠片(かけら)も無い不届き者に、神仏の加護などあるはずも無い事を、改めて知らされた。

次は「地獄入門の手引き」などを探してみるか。

(平成二十七年三月三日)

ramtha / 2015年7月2日