ギリシャの財政悪化が話題として、連日マスコミを賑わしているが、今朝の毎日新聞一面のトップニュースは「銀行閉鎖 市民混乱」と言う文字が踊り、ギリシャの金融危機を取り上げている。その記事の冒頭部分は次のように紹介している
ギリシャのチプラス首相が28日夜(日本時間29日未明)、預金の引き出し制限などの資本規制を導入すると発表し、29日から全土の銀行が休業した。窓口は閉鎖され、預金自動預払機(ATM)での預金引き出しも一日当たり60ユーロ(約8,100円)に制限。欧州連合(EU)が金融支援として提示した財務再建策の賛否を問う国民投票翌日まで1週間以上に及ぶ緊急措置が始まった。スーパーで食料品の買い溜めに走る主婦もおり「戦争前夜のようだ」との声も漏れた。
日本でも約70年前の終戦直後、預金引き出し制限が行われたことがあったが、当時私はまだ独身で炭鉱の社員寮で生活していたから、内容はお粗末ながら、三度の食事に困ることもなく、預金もろくろくなかったから、痛痒を感じることもなかった。
しかし、育ち盛りの子供を抱える世帯持ちの人たちは、ずいぶん苦労していたことが思い出される。
あの時、日本政府はどうやって切り抜けたかなど考えてもみなかったが、占領軍のアメリカのアメリカの援助によって凌いでいたに違いない。そう言えば、昭和24年頃まで、進駐軍の放出物資として、食料品や中古の衣料品の無料配布が幾度か行われていた。
同じものが配布されるのではなく、種々雑多な物が放出されるので、確か職場ごとに抽選でしかるべく分配していたように記憶している。
あれはいつのことだったか、本社労務課にいた背丈の低い神垣君が半ズボンを引き当て愛用していたが、「それはアメリカの子供が穿いていたものに違いない」と周りの人から、からかわれていたことがあった。
話が脇道にそれたが、いずれにしても、自分が長年にわたり積み上げてきた預金が自由にならないばかりでなく、今回の財政破綻がユーロの貨幣価値の下落を招き、個人預金の価値も、日に日に下がると言うのでは、ギリシャ国民の不安は増大するばかりに違いない。
しかし、ギリシャの年金水準は、EU各国の水準を上回っており、ドイツ議会などでは、その引き下げをしなければ、ギリシャの支援はできないと言っているとも耳にしている。人口に占める公務員の人数も多く「財政破綻は身から出た錆」という冷たい声もあるという。
日本の各銀行は今日の事態を予測して、保有していたギリシャ国債は既に処分済みで、仮にギリシャが金融破綻してもさしたる影響はないという。
ギリシャでは欧州連合(EU)が金融支援の条件として提示した財政再建策の賛否を問う国民投票を7月5日に行うことになっているが、その結果によってはEUからの離脱ということにもなりかねない。
いずれにしても、ギリシャ危機はEUにとっては大問題であるが、わが国への影響は少なく、心配しなければならないほどの事ではなさそうである。
しかし財政状態では先進国中最悪のわが国としては、これを他山の石として早急に財政健全化に取り組まなければ、悔いを後世に遺すこととなる。
安倍政権も骨太の改革の中に社会保障費の抑制を盛り込んではいるようだが、まだ切り込みが足りない。総理自らの報酬を削減するなど、率先垂範し国民の理解と協力を求める努力をすべきではないか。
私は年金収入のみで生活する老骨に過ぎず、さしたる貢献もできないが、年金の一割削減程度の事は、覚悟しなくてはと思っている。
テレビではダイエット効果を売り物にするサプリメントのCMを、毎日のように流しているが、健康的なダイエットは一日一食抜くことである。食物自給率が先進国中最低といわれながら、カロリー摂取過剰な日本人は、一日二食が最適と考える。
健康保持と財政再建、正に一挙両得の名案と考えるが、どうだろう。
(平成二十七年六月三十日)
ramtha / 2015年12月7日