筋筋膜性疼痛症候群・トリガーポイント施術 ラムサグループ

一月一日 「平和な元日に感謝」

五年前の六月九日、兄貴が九三歳十ヵ月で旅立ち、五人いた兄弟姉妹も、全て亡くなり私一人になってしまった。小学校、中学・高校・大学の同級生もほとんどがあの世に逝き、音信も途絶えてしまった。生来病弱な自分がこの歳まで長生きするなど、考えられないことだったが、今年も元日を迎え、喉につかえないようにと家内に注意されながらも、なんとか雑煮も頂いた。

目的もなく田圃道を歩くこと以外に趣味もない身で、かつては毎日のように歩き回っていたが、右膝に痛みを感じるようになり、平成一九年二月、別府国立病院で人工動脈への取り替え手術を勧められた。しかし、当時すでに八四歳と言う高齢ではあり、手術はこれまで肺葉切除、膀胱結石など五回も受け、その度に辛い経験をさせられてきたので辞退した。

その後、リハビリや痛み止め内服薬で誤魔化してきたが、歳とともに痛みが激しくなり再度飯塚病院整形外科で受診したところ、主治医の診断では、やはり人工動脈手術となるが、九十歳を超える高齢では全身麻酔は危険とのことで断念することとなった。もう先も長くないだろうと諦めたが、健康と寿命は別物のようで、まだしばらくは痛みを堪えねばならない日が続くことになりそうだ。

この冬は例年より暖かいと言われているが、老骨の身にはやはり寒く、ともすれば電気毛布に包(くる)まって、遠くに住む孫達の元気な姿を思い浮かべて過ごしている。しかし考えてみれば痛みに耐えながらとは言え、こんな穏やかな老後の暮らしが出来るのも、平和な日本であればこそである。今この時間にも、世界各地では銃弾が飛び交っているところが少なからずあり、その下を逃げ惑っている私のような老人もいるに違いない。

思えば、温かい寝具に身を横たえることができるのは、少数の幸せ者に限られているのが世界の現実ではないか。そう思うと、食事や入浴など身の回りの事は、まだ人手を借りずに何とか処置できる現況に感謝せずばなるまい。

ramtha / 2016年4月7日