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三月十三日 「ゆたかで便利な日本」

昨日の毎日新聞のコラム「経済観測」には、大武健一郎氏(ベトナム簿記普及推進協議会理事長)が「アジアの不便をチャンスに」と題して、次のような提言をしている。

鳥取県にある六角レンチの専業メーカーを見学した。六角レンチは大型の製造機械からスマートフォンのような小型機器の生産まで広く使われるL字形の工具だ。この会社の製品は日本だけでなく、広く世界に売られている。価格が台湾や中国の製品に比べてかなり高いにもかかわらず売れているのは、見た目にはわからない品質に支えられているようだ。大半が輸出用であるにもかかわらず、1ドルが80円台のような円高の時期でさえ黒字を維持したという。

日本にはこのメーカーのように目立たないが優れたメーカーがたくさんある。そして、それらの製品はホームセンターでも売られている。

ベトナムをはじめ東南アジアでは、工具、ネジ類、作業服など、日本ではすぐ手に入るものが簡単には手に入らない。鳥取の六角レンチ専業メーカーのようなメーカーもない。

最近は大型スーパーなどの進出で、食品や衣類などは簡単に手に入るようになった。近々、ホーチミン市の大型スーパーに大阪のホームセンターが進出するようであるが、まだ珍しい存在だ。

例えば、ベトナム南部で東急グループが開発している新都心の工業団地などその周辺には、約2000社の工場が林立しているが、いまだに品質のよい工具を購入できるホームセンターのような店がないため、メーカーの経営者や技術者たちは不便な思いをしているようだ。

東南アジアを回っていると、日本では当たり前と思っていることが、決して当たり前ではないことに気づく。そこにビジネスチャンスがある。東南アジアの人口は増加し、しかも中所得者が増えている。そこに必要とされる製品を生産販売したり、サービスを提供したりする道はまだあるように思う。

われわれ日本人は、常日頃なにも考えず生活しているが、これを見ると、ずいぶん豊かで便利な環境の中で暮らしていることを改めて思い知らされる。私の住んでいる片田舎でも、ジュースやコカコーラのような清涼飲料水の自動販売機がすぐ側(そば)の道端にあり、徒歩で十分もかからない所にスーパーもコンビニもある。八九歳にもなる老妻でも、人手を借りずに毎日の買い物をしてなんとか暮らしている。

不況だ不景気だと言われながらも、こんな暮らしが出来る国は、世界中でも滅多に無いのではないか。改めて平和で豊かな祖国に感謝せずばなるまい。

ramtha / 2016年5月22日