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六月二七日 「欧米人は仮面を脱いだのか」

先日のイギリスの国民投票は、移民の流入に対する不満や国内政策をEUで決められることへの反発が高まる中、キャメロン首相が昨年(二〇一五年)の総選挙で、EU離脱の是非を問う国民投票を公約し、選挙で大勝したことにより行なわれたものである。

EU離脱は世界中に大きな衝撃を与えるとともに、EU参加国の中にイギリスに続く国が出るのではとか、最近のヨーロッパ諸国に見られる右翼の勢力拡大を招くのではというニュースが伝えられている。

また英国の国民投票で既成政治への不満や「反移民」感情などが原動力になったことが、十一月のアメリカ大統領選挙にも、影響を及ぼし姶めたと伝えるマスコミもある。それによれば、共和党の候補指名が確実なドナルド・トランプ氏は、類似点を強調し、「米国でも起こる」と攻勢を強めているという。

そもそもEU(ヨーロッパ連合)の成立は、遡れば、第二次世界大戦の反省から、参加国が互いの自己主張や人種差別を抑制し、ヒト・モノ・カネの移動を自由にし経済成長することによって、恒久的平和を手に入れることを目的としたものであった。

換言すれば、お互いの本心は心の奧に潜めて、外面は紳士面をして交際することで平和を保つことであった。

戦後七十年、中国の傍若無人(ボウジャクブジン)の振舞を目前にしては、我慢を続けてきた本心の吐露がここにきて遂に表に突出したということではないか。

考えてみれば、戦後七十年ということは、世界中の人類がすっかり世代変わりしてしまったということになる。ということは、EU結成の時の平和を願う切実な思いは、各国の指導者でも、今の人には頭で理解し得たとしても、実感は難しいことで、一般大衆には完全に忘れ去られているに違いない。

欧米先進国の右傾化、中国の突出、さらには残虐非道なISを始めとするイスラム諸国の紛争など。二十一世紀は人類の大転換点となるのではないか。危険な予感を感じるのは私だけだろうか。

ramtha / 2016年7月21日