症例07-01 「ぎっくり腰のような痛みを出す腹部のトリガーポイント」
Aさん (80歳代)女性
【症状】
寝返りや起き上がる時に痛みが走り、
正座で座っていても、手で支えていないと座っていられない。
【視診・触診】
伏臥位では、右の腰から背中にかけて緊張があり
腰部のねじれがみられる。
【動診】
仰臥位で股関節の位置で屈曲しても
膝を左右に倒しても痛みは出ない。
仰臥位で膝を立て、歩くように足を踏み込むと
右足を踏み込んだときに刺すように響く痛みが出現する。
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脚を踏み込む時に痛むのであれば
腹部の筋肉内にトリガーポイントが生じている可能性があるため
腹部を触診すると、下図のように、
右腹部に強い硬結がみられた。
カウンターストレインの技法を用いてこの硬結を緩めたところ、
右足で踏み込む時の痛みは消失し、
逆に左足で踏み込む時に痛みが出始めた。
そこで、左腹部を触診すると、やはり強い硬結がみられたので
同様に緩める。
そして起き上がって頂くと
かなり痛みは減ったがやはり響く痛みが出るとの事。
立位でのバランス調整を行った所、
動作時の痛みはほとんど感じられなくなり、
正座をして頂いても、手で支える事無く座る事ができた。
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症状はぎっくり腰と同じような痛みを出しているが
腰部ではなく腹部のトリガーポイントが動作痛を出している例。
ramtha / 2007年2月7日