症例 07-09 「痛みで階段を上れない」 40歳代(男性)
【症状】
1)3日前から突然、痛みの為に階段を上れなくなった。
2)痛みは右足で、階段を上るときは手すりで身体を支え、左足だけで上っている。
3)右足が痛む直前に左足アキレス腱が攣ったような感じがあった。
【触診・動診】
1)右足は曲げるときも伸ばすときも痛みが走り、寝返りをうつような動作でもかなり痛む。
2)痛みは大腿部の外側、膝の内側と膝蓋骨の上方で感じる。
3)問診や動診から
1.小臀筋のトリガーポイント。
2.大腿筋膜張筋のトリガーポイント。
3.左アキレス腱からふくらはぎにかけてのトリガーポイント。
4.右中間広筋、内側広筋のトリガーポイント。
5.右足ふくらはぎのトリガーポイント。
を疑って触診した。
触診で痛みが最も強かったのは、小臀筋、大腿筋膜張筋上であった。
次いで内側広筋、そけい靱帯付近でも中等度の痛みを感じた。
【施術経過】
1.大転子下方の圧痛は脚の外転、外旋で解放。
2.小臀筋、中間広筋、内側広筋を弛める。
3.カウンターストレインでは大転子下方の圧痛を処理するときは
内転筋の処理をすると効果が高いとしているので
脚を内転させると強い痛みが生じた。
4.このことからそけい部周辺の触診を再度行った結果
縫工筋付着部にも強い圧痛がみられた。
そこで股関節を屈曲させて縫工筋をたるませた。
この方の症状には腰下肢の様々な筋肉が関与していたので、
各所のトリガーポイントが影響し合っていたが
結果的には縫工筋の施術で痛みが楽になった。
元々全身性の筋の緊張があったこと、それに忙しさが加わり、
下肢のトリガーポイントが活性化した結果のようである。
ramtha / 2007年7月27日