今回は「親指の痛み」についてです。
何か物を持とうとする時や、雑巾を絞る時、ビンの蓋を開けようとする時に親指や手首が痛むという症状は、40歳~60歳代の女性に多く診られます。
また、「腱鞘炎」「手根管症候群」などの症状で悩んでおられる方が多いでしょう。
これらの指や腕の症状で整形外科を受診すると,「年のせいですね。うまく付き合って行きましょう」などと言われる事も多いようですが、痛みやしびれの原因となっている筋肉を弛めると症状はかなり軽くなるものです。
下図を見て下さい。親指に痛みを作る代表的な筋肉を二つ掲載しました。
「腕橈骨筋」と「回内筋」です。
これらの筋肉にしこり(トリガーポイント)が出来ると、親指の付け根付近に痛みが生じます。
手首と肘の間には2本の骨があり、親指側が橈骨(とうこつ)、小指側が尺骨(しゃくこつ)です。
【腕橈骨筋】
「腕橈骨筋」に出来るしこりは、下図のように親指側を橈骨に沿って肘方向へたどり、肘を折り曲げる時に出来るしわの手前のあたりによく見られます。(赤い点)
この赤い点のしこりが紫色で示しているあたりに痛みを作ります。肘や親指のあたりで特に強い痛みを感じます。
【回内筋】
回内筋に出来るしこりは、下図のように、小指側を肘方向へたどり、肘を折り曲げる時に出来るしわの手前のあたりによく見られます。(赤い点)
そしてこのしこりが前腕から親指にかけて痛みを感じさせ、特に親指の付け根付近で強い痛みを作ります。
まず「腕橈骨筋」の赤い点のあたりを押してみて、響くような痛みがある所を優しくじーっと90秒ほど押して下さい。響く感じや痛みが軽くなってきたら、親指を使ってみましょう。
親指の痛みが軽くなっていたら、「腕橈骨筋」のしこりが親指の痛みを作っていたことになりますので、さらに腕橈骨筋のしこりを弛めましょう。
腕橈骨筋のしこりを弛めても親指を使うと痛む場合は、「回内筋」のしこりを探してやはり響くような痛みを見つけ弛めます。
どちらかのしこりを弛める事で、親指の痛みはかなり軽くなるはずです。
但し、腕や指の痛みはさらに遠くの筋肉が関与している事があります。
首の後や後頭部が凝っていつも気になる方や、偏頭痛持ちの方は後頭部や首の筋肉が腕や指の痛みを起こしている可能性があります。
「腕橈骨筋」や「回内筋」のしこりを弛めても親指の痛みの改善度が低い場合は、後頭部や首の側面の筋肉を触って、痛みがあるところや硬くなっている所を探して弛めて下さい。
ramtha / 2008年11月2日