痛み治療で重要な事は、
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の考え方に沿って
トリガーポイントを治療することですが
その方法はいろいろあります。
トラベル、サイモンズ両博士が書かれた
「筋痛症と機能障害-トリガーポイント・マニュアル」では
トリガーポイントを不活性化する方法としていくつか挙げています。
①局所麻酔注射(トリガーポイント・ブロック注射)
②ストレッチ&スプレー(TPに冷却スプレーをしながらのストレッチ)
③虚血圧迫
④ストレッチング
⑤深部圧搾マッサージ
⑥マッスルエナジーテクニック
⑦仙腸関節の機能障害矯正
⑧筋膜リリース
もちろんこれ以外にも鍼治療など
トリガーポイントを不活性化するいろんな方法があります。
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永続化要因を取り除く
どんな治療法でもトリガーポイントが不活性化されて
症状が緩和されればOKなのですが
最も大切なのは前回書きました「永続化要因」
(治りにくい要因)を取り除く事です。
両博士が挙げている「永続化要因」のうち、主なものは次の通りです。
【構造的要因】
①下肢長不等(脚の長さに差がある)
②半側小骨盤(どちらかの骨盤が小さい)
③短い上腕(体幹に対して短い上腕:立位で肘が骨盤につかない)
④モートン足構造(足の第2中足骨が長い)
【生理的要因】
①ビタミン不足
②ミネラル不足
③甲状腺機能低下症
④低血糖症
⑤痛風体質
これらの要因を取り除かないと
筋膜治療に反応し難い、もしくは治療効果が短いとされています。
実際、トリガーポイント研究所に相談に来られる方の多くは
これらの永続化要因を持っておられますし、
長年痛みで困っている方ほど
数多くの永続化要因を持っておられます。
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毎日のお手入れが重要
両博士が強調しているのは
このような治りにくい体質を持っている人は
自分で行う毎日のお手入れが重要だと言うことです。
①毎日1回は現在の可動域一杯までストレッチすること。
(温かいシャワーやお風呂で温めながらするとさらに効果的)
②就寝前にトリガーポイントや関連痛が起きているところを
10分~15分温湿布すること。
③テニスボールなどを使って虚血圧迫をすること。
治りにくい体質を持っている方は
これらを実行することで、
痛みが軽減されますし、
トリガーポイントに対する各種の治療法が
より効果的になってきます。
ramtha / 2009年10月2日