以前にも書きましたが、
「痛み」を緩和するために大切な事は
毎日のホーム・エクササイズです。
特に長年痛みや凝りで苦しんでおあれる方、
ちょっとした運動や労働で痛みや凝りが出やすい方にとって
ホーム・エクササイズは欠かせません。
しかし世の中には様々な体操法や
自己治療法がありますので、
「腰痛にはどれをすればいいんですか?」
「どんなことをするのが効果的ですか?」
「トリガーポイントを弛める方法を教えて下さい」
と言ったご質問やご要望が毎日のように来ています。
そこで今回は「腰痛」「背痛」の為の
トリガーポイント・エクササイズをご紹介します。
これまで書いて来ましたように
腰痛や背痛には腹部の筋が重要な関わりを持っています。
ですから、「腰痛」「背痛」を緩和するには
お腹のトリガーポイント・エクササイズも併せて行います。
【トリガーポイント・エクササイズのやり方】
トリガーポイントを弛める方法としては
次のようなものがあります。
道具無しでも出来ますが、
テニスボールやゴムバンドを使うとより効果的です。
①虚血圧迫
(押すと「ズーン」という響くようなところは
じわーっと20~30秒押し続ける虚血圧迫で痛みを緩和します)
②テニスボール・マッサージ
(10秒間で2~3cmという、ゆっくりとした動きでほぐします。)
③ストレッチング
④虚血圧迫+ストレッチング
⑤等尺性収縮
⑥温湿布
エクササイズでは①~⑤を行って
その後温湿布やお風呂で温めるなどを行います。
【注意すること】
●強くし過ぎないこと、やり過ぎないこと。
テニスボールを当てたり、ストレッチをすると
縮んでいた筋が弛んでとても気持ちがいいものです。
その為、ついつい強くし過ぎたり、時間を掛けすぎたり
何度も、何度も行ってしまいがちです。
1回の虚血圧迫やストレッチは優しめに行い
回数も3回程度にして下さい。
そして1日に行う回数も3回程度にして下さい。
強くし過ぎたり、時間を掛けすぎますと
かえって筋肉に負担をかけたり、損傷をさせる場合がありますので、
この事を守っていただきますようお願いします。
【「腰痛」「背痛」のための
トリガーポイント・エクササイズ】
①腰背部のトリガーポイントを弛める。
1-1 まずテニスボールを絨毯の上か、お布団の上に置きます。
注)床の上では効き過ぎる場合があります。
1-2 仰向けになりながら、テニスボールの上に腰や背中を載せます。
1-3 膝を立てて、脚や肘や頭で体重をコントロールしながら
腰や背中をマッサージします。
注)マッサージのスピードは10秒間で2~3cmという
ゆっくりとしたスピードで行い、
ゴリゴリしないようにして下さい。
1-4 マッサージをしていると、
「ズーン」と響くような感じの所に出会う事があります。
この時は、その場所で動きを止めて、
20~30秒間やさしく押し続けます。
すると痛みが和らいできます。
和らいできましたら、もう少し強めに押して
痛みが和らぐのを待ちます。
これを2~3回繰り返して下さい。
1-4 腰背部をストレッチングする。
テニスボールをはずして、両膝を胸元に引きつけて
腰から背中をストレッチングします。
② 腹部のトリガーポイントを弛める
2-1 まずテニスボールを絨毯の上か、お布団の上に置きます。
注)床の上では効き過ぎる場合があります。
2-2 うつ伏せになりながらテニスボールの上にお腹を載せます。
場所は恥骨のすぐ上の辺りです。
この時ボールの指圧の効きが悪いと感じた場合は
上記の写真のように、タオルなどを折りたたんで
その上にテニスボールを載せて行います。
タオルの厚さで効き具合を調整して下さい。
2-3 腹部の指圧&ストレッチング
肘を立てて胸を起こして行きますと
腹部の筋が伸びてきますし、
お腹に当てたテニスボールが気持ちよく指圧してくれます。
身体を起こしたり、ゆっくりと左右に動かして
腹部を指圧&ストレッチングします。
2-4 次いで、肋骨の下の胃の辺りにテニスボールを移動して
上記と同様に行います。
※どちらも3回ずつほど行って下さい。
2-5 仕上げのストレッチング
テニスボールをはずして、
うつ伏せの状態から腕を立てて
胸をゆっくりと起こして行き、腹部をストレッチングします。
この時、お腹や腰を力を抜いて行うことと
骨盤の部分が床から離れないように注意して下さい。
また、胸を起こし難い場合は
出来るところまででOKです。
少しストレッチングするだけでも
充分に効果があります。
ramtha / 2009年10月15日