筋筋膜性疼痛症候群・トリガーポイント施術 ラムサグループ

バネ指(弾発指)も全身性のトラブル

先日、親指のバネ指で困っている方が来られました。数ヶ月前から親指の曲げ伸ばしで痛みが出るようになり、グッと曲げると指が戻らなくなる、所謂バネ指になってしまったとの事です。親指の付け根は腫れ、軽く触れるだけでかなりの痛みが生じます。

トリガーポイントの知識が無ければ、親指に湿布を貼ったりマッサージをしたりして緩和する事を考えられると思います。しかしこれではあまり効果がありません。もちろんこの方も親指に湿布を貼ったり、揉んだりされていましたが、改善するどころか症状が強くなっています。

トリガーポイントの知識がある方は、親指に痛みを感じさせる筋として、斜角筋、鎖骨下筋、上腕筋、腕橈骨筋などが考えられるので、これらの筋をチェックして、トリガーポイントがあればそれを緩和させる事になります。 これはかなりの効果があります。しかし、斜角筋や鎖骨下筋などがなぜ過緊張となってしまったかをチェックして調整しなければ、症状がすぐに再発したり、別の疾患となって現れるでしょう。

バネ指という末端の障害であっても全身性のトラブルとして捉えると、バネ指が改善され、再発し難くなるだけでなく、気づいていない過緊張も緩和され全身が軽くなります。

この方の股関節をチェックすると、左の股関節の動きが極端に悪く、上半身と下半身で捻れが見られました。それらの影響で肩関節を中心とした肩胛帯に過緊張が見られました。

そこで、股関節のアンバランスを整え、身体の捻れを修正し、肩関節のPIR(ポスト・アイソメトリック・リラクセーション)を行いました。この3つの施術に掛かった時間は約10分です。この時点で拇指の付け根の圧痛は全く無くなり、親指は痛み無く動くようになりました。

強く曲げると痛みが残っていましたので、上腕筋と腕橈骨筋のトリガーポイントを弛めると、「どうすれば痛みが出ていたのかも分からなくなりました」と言われるほど、痛みが消失しました。

このように局所の痛みにとらわれず、全身性のトラブルとして治療を行うことが大切です。

ramtha / 2010年11月24日