先日来られた40代女性の訴えは、ある日突然起きた股関節の痛みです。
特にこれと言って足腰に負担を掛けるようなことをした憶えがないにも拘わらず、真っ直ぐに歩けないほどの痛みが生じています。
<これまでの病歴障害歴>
・小学校6年生の頃跳び箱で尾骨強打したことがある。
・高校生の時、ひどい足首の捻挫を経験
・2年前、家庭内の人間関係からうつ状態に。
・1年前追突事故から首⇒背中⇒頭痛と広がり、家事ができなくなり外出も出来なくなった。
<主訴>
・ある朝、突然右足に痛みが走り、真っ直ぐに歩けなくなった。
横歩き(カニ歩き)であれば痛みが減る。
・右足に力を入れると痛みが出る。
・右を下にした側臥位では右の大転子がひどく痛む。
・左を下にした側臥位では右の大腿部に重い違和感が出る。
<解説>
この方のように、特に思い当たるイベントがないのに、強い痛みが生じると原因が分からないのでとても不安になります。
このような場合に考えられるのは二つのケースです。
- 脊柱を中心とした関節の機能障害(ブロック)
- 深部筋のトラブル
この女性の場合は胸腰移行部(胸椎10番~腰椎2番)の脊柱の動きが減少(関節の機能障害)し、その支配領域にあります筋の過緊張から来たものでした。
関節の機能障害がもたらす筋の緊張を「関節静的反射」と言います。
突然の痛みが生じた場合は、関節の動きを診ることが大切です。