昨夜のテレビでは、インドネシアに進出する、ローソン、セブンイレブンなど日本のコンビニの出店競争の舞台裏が放映されていた。
田舎に住む老爺は日本全国に五万店もコンビニがあることも知らなかったが、同じ数のコンビニが東南アジアをはじめ世界中に展開していると聴いて驚いた。
製造業が廉価な労働力を求めて海外へ移転していることは、国内の空洞化を招く問題として再三放映されて承知していたが、コンビニの海外進出については、初めてのことで、自らの無知を知らされた。
その中で、国内で蓄積したノウハウを駆使して、現地の人に日本食の素晴らしさを教え、需要を開拓して行く日本の商社マンのきめ細かい活動の数々が紹介されていた。
その一つに、インドネシア大衆が今まで見たことも無いおにぎりを手に美味しそうに食べている姿があった。
わが家でも老夫婦二人だけの暮らしでは、家で料理しても食べ残りが出来て、何度もチンして食べるより、コンビニの弁当など出来合いのものを買ってくる方が余程得だがら、しばしばコンビニを利用している。
私も先頃初めてコンビニのすばらしいおにぎりを知り、感心したことである。何と言っても、ご飯と海苔をビニール片で分けて包み、乾燥した海苔の旨さをそのまま消費者の口まで届ける、日本人ならではのあの仕組みには感心させられた。
おにぎりを食べるインドネシア人もパリッとしたノリの歯ごたえがたまらないと語っていた。またおにぎりに限らず、清潔で美味しい日本食に人気が集まり、日本のコンビニの看板を見てやってくるという。
躍進著しい中国に対する警戒感から、最近安全保障を巡って、再軍備や憲法改正などの議論が盛んに行われているが、外国の攻撃に備えて軍備を拡充することは確かに必要なことではある。しかし諸外国と平和な関係を保つには、日本の文化のすばらしさを知らせ、親近感を抱かせることが最も大切なことではあるまいか。
コンビニに限らず、よろずグローバル化が進む今日、文化人も産業人も海外へ出かけ、時には移住する人も少なからずあることだろう。その人たちが海外から経済的利益を持ち帰ることより、現地の人々を豊かにし、日本に対する親愛の情を育てることを心がけるべきことと思われる。長い目で見れば、経済的にも豊かな収穫が得られるに違いない。
老人の愚見を述べたが、諸賢のご批判を仰ぎたい。
(平成二十五年八月二十一日)