「平成二十六年 八月二日」
台風十二号が東支那海を北上、九州の西海上を通過しているとのことで、今日は朝から雲が垂れ込め、断続的に雨が降っている。薄暗い部屋に閉じ籠っていると気分が滅入って来る。すると肩や足腰の痛みも増して来るような気がする。前にテレビで気圧の変化が人間の体調に影響すると放送していたことを思い出した。気圧の所為(せい)では、ただ耐え忍ぶしかない。
片隅が雨に濡れた新聞を広げると、今日もまた、イスラエルのパレスチナ攻撃、ウクライナ政府軍と親ロシア派住民との戦闘、新疆ウイグル地区での自爆テロなど、世界各地の紛争を伝える記事が、少なからぬ紙面を埋めている。
私は足腰も不自由な老骨であるが、幸いにして平和な日本に居て新聞を見ているだけだが、今のこの瞬間も砲火が飛び交い、その下を掻い潜って逃げ惑っている市民が居る筈だ。
そうした戦時下にある国が自分の祖国であり、私自身がその現場に居ると考えたら、それだけで身の毛もよだつ想いがするが、現実に私と同様な五体不自由な老人がそうした悲惨な現場で苦しんでいるに違いない。
それを想うと、紛争の原因は何であれ、まずは停戦できないものかと思う。しかし現状はなかなかそうはなりそうもない。紛争解決の妙案など持ち合わせてはいないが、それだけに紛争当事国の指導者の言動に腹立たしくなってくる。
そんなに戦争がしたいのなら、シリアのアサド大統領、イスラエルのネタニヤフ首相、パレスチナのアッパス議長など最高指導者自身が銃を持って第一線に立って戦って貰いたい。そこで敵の砲火を浴びる中で、戦争を継続すべきかどうか、今一度考え直して貰いたいものである。
しかしいくら大声をあげて叫んでも、すさまじい砲声と爆音に掻き消されて彼らの耳には届かないことだろう。
所詮はゴマメの歯軋(はぎし)りに過ぎないのか。いまいましい限りである。