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「反日韓国の自壊が始まった」

新しく創業した悟空出版の「反日韓国の自壊が始まった」を読んだ。
著者の呉善花(オ・ソンファ)女史は韓国生まれ、一九八三年来日。拓殖大学国際学部教授ということであるが、祖国韓国人と日本人の相違点を上げて「なぜ韓国人は日本人とこんなに違うのか」その歴史的背景と韓国人特有の思考について詳細に観察している。
近年韓国の反日感情の激化が伝えられ、日本人の、韓国に対する感情もマイナスイメージに傾きつつあるようで、憂慮されるところである。
歴史を振り返ってみると、かつての朝鮮は中国の支配下にあり、元王朝の手先となって、日本に来寇したこともあったが、豊臣秀吉の朝鮮征伐による侵略被害や日韓併合による屈辱を受けた記憶が対日感情の根底にあり、近年日本経済の弱体化の影響によるものか反日感情が顕著になり、日韓関係がギクシャクしたものとなっている。
日本とは最も近い隣国であり、日米韓同盟の同志でもあるのに、こうした現状にある事は誠に憂慮されるところで、なんとか修復できる手立てはないものかと考える中でこの本を手にしたが、呉女史の解説を見ると、残念ながら容易ではない感を深くした。
呉女史に教えられたことのいくつかを書き留めておくことにする。
一、今年四月一日韓国旅客船セウォル号(乗客四六七人)が沈没事故を起こし乗客乗員二九四人死亡、十人行方不明。その他捜索活動にあたった韓国海軍兵士一人民間ダイバー二人、消防隊員五人が死亡した。
この事件の背景について、呉女史は次のように述べている。
① セウォル号は、初めから客室増設、設計変更により船の重心が移動しており、航行上極めて危険な状態にあった。
② それに加えて、運行会社による荷重積載が慢性的に行われていたこと、安全教育の軽視、乗客に対する不適切な避難誘導、船長の無責任が重なり大惨事となった。
③ エンジンが故障し漂流を始めてから三分後の午前八時五十五分に緊急無線を送っているが、韓国唯一の釜山の特殊救助隊が現場に到着したのは午前十一時十五分。セウォル号の沈没直前であった。
④ しかもこの救助隊にはヘリコプターがなく、陸路を取ったので大幅に遅れたという。
⑤日本では平成二十一年に三重県沖でフェリー「ありあけ」が高波を受け座礁したが全員救助されている。日本には全国八カ所に機動救難士が配置され、直ちに出動できるシステムが完備している。
さらにセウォル号沈没直後から、次のような事件が報道されている。
①救援現場の動画を見られるという触れ込みの詐欺メールが多発( 十九日)
②行方不明家族に「お金を出せば救出してあげる」と誘う詐欺多数横行(十九日)
③行方不明家族に支給される救援物資を狙った窃盗事件(二一日)
④寄付金の名目で三人から約四〇〇万ウォン(約四〇万円)を騙し取る事件(二三日)
⑤死者数を賭ける違法賭博サイトが登場(二三日)
⑥行方不明者の家族と称して救援物資を騙し取る事件(二七日)
呉善花女史は韓国ではこうした人の不幸に漬け込む事件が絶え間なく起きていると述べているが、日本でも東日本大震災後、住民不在の家を狙う空き巣泥棒事件も伝えられているので、一概には言えないが、韓国民の方が道徳レベルが低いとみているようである。
二、韓国社会を活性化させている原動力は、良くも悪くも、自分の一族や自分が所属する小集団の繁栄一途に向けられた、極めて排他的なエネルギーで、こうした社会に生きる人々の間ではおのずと権力志向を露わにした、攻撃的な姿勢をとるようになる。それに対して日本人は自然の流れや自分の外の力に対して「受けて立つ」意識が強く働いている。
三、韓国も中国も長い間、異民族から侵攻を受け続けてきたから、同じ民族以外は信用できないという共同意識が強く根付いている。もっと言えば、自分と血の繋がった家族、親族以外は容易に信用できないという素地がある。
四、日本では「すみません」 「ごめんなさい」は頻繁に使われるが、韓国では自ら「東方の礼儀国」と自称しているにもかかわらず、実際にはあまり使わない。 「すみません」と口に出そうとしないのは、謝れば自分に非があることを認めることになり、韓国社会では自分のメンツが保てなくなる。
五、韓国人は他人には厳しく自分には寛容な人が圧倒的に多い。
呉善花女史は右のような例のほか、多くの角度から観察し、日本人との対比において韓国人の倫理道徳水準がはなはだしく劣ると結論づけている。
これを読んで、家内がよく見ている韓国ドラマを時折垣間見ることがあるが、ドラマの中で交わされる会話が男女にかかわらずいつも喧嘩腰に聞こえるのも韓国社会の一般的風習なのかと思ったりした。
しかし、近年の日本の世相の劣化は目に余るものがあり、日本人の一人としては、日本人を買いかぶった呉女史の説はいささか面はゆい感じがする。
しかし日本人は他人と行き違いがあり、互いに敵対する関係になっても、第三者の仲介があるなどして仲直りをすれば過去のことは水に流してしまう。
これに対して、韓国人は長年中国の支配下にあり、堪え忍んできた恨みは積もり積もって消え去ることがなく、心の底に燻り続けて忘れないことが習性となったのか、一度仲違いをしたら相手が非を認めて謝っても、決して許すことなく、さらに相手を責めたてるという。呉女史はこれが日韓の最大の相違点であり、両国間の和平は永久に実現する事はないと断定している。まことに厄介なことではある。
            (平成二十六年十一月二十七日)

ramtha / 2015年5月10日