人口の都市集中のためか、少子高齢化が危惧されているにも拘わらず、保育園不足で入園できず待機している子供が五万人近くもいるとか。これに対応すべく地方自治体では保育園の新設を考えているが、適当な建設用地の確保に苦慮していると、今日のテレビで伝えていた。
都会の高い地価が原因とばかり思っていたらそれだけではなく、近隣住民の同意が得られないことによるというのには愕然とした。
取材記者が近隣住民とおぼしきご婦人数人にマイクを向けると、異口同音に「この静かな環境が甲高い幼児の声で書き乱されては耐えられない」などと、平然と答えている。郊外の一戸建て住宅の並ぶ団地の風景と子育てを終えたと思われる女性が映し出されている。
自分たちが我が子を育てた時はどうだったのか、自分自身も幼児の時は声をあげて走り回っていたことは忘れてしまったのか、良識あるご婦人の言葉とは思われない。
子供は大きな声を出し元気に走り回ることで成長して行くもので、それは子どもを育てたことのある大人の常識ではないか。育ち盛りの子供の声が騒音扱いにされるようでは、この国の行く末が気にかかってならない。
(平成二十七年三月三十一日)
ramtha / 2015年7月3日