今朝の毎日新聞では、フランスで大型スーパーの売れ残り食料の廃棄を禁止し、慈善団体への寄付を義務をする法律が制定されたことを、次のように報道している。
世界の食料生産量の約三分の一が毎年廃棄されている。その現状を変えようとしたパリ近郊クループポア市のアラシュ・デランバーシュ市議(三六)の努力が結実し、フランス全土にある大型スーパーに売れ残りの食料の廃棄を禁じ、慈善団体への寄付を義務付ける法律が成立した。
イラン革命(一九七九年)でフランスへ逃れた両親の間に生まれたデランバーシュさんは、大学時代に食費に苦労した経験から食料廃棄に目を向けるようになった。市議になった二〇〇四年、訪ね歩いたスーパーでは、廃棄食品が持ち去られるのを防ぐためにゴミ箱に鍵をかけたり、食べることができないように化学薬品で処理した上で廃棄されたりしていた。デランバーシュさんが困窮者への無償提供を打診すると、「法規制されたらやるよ」と皮肉交じりに言われた。
SNS(ソーシャルーネットワーキング・サービス)で法規制を呼びかけ、インターネッ卜の署名サイトで約二〇万人の署名を集めた。下院議員に協力を呼びかけ、二月三日、法が成立した。
食料廃棄禁止法は、延べ床面積四〇〇平方m以上の大型スーパーを対象に、売れ残りの食料の廃棄を禁止し、生活困窮者に配給する活動を行なう団体への寄付を義務付ける。違反するたびに三七五〇ユーロ(約四八万円)の罰金が科せられる。
国連食料農業機関(FAO)などによると、毎年世界で一三億トンもの食料が、収穫されてから消費者の口に入るまでの間に廃棄され、食べられるのに家庭やレストランで廃棄される「食品ロス」は、フランスは約七〇〇万トン、日本は約六四〇万トンとされている。デランバーシュさんは「日本は第二次世界大戦で飢えを経験し、食べ物の貴さを理解している。きっと現状を変えることができるはずだ」と呼びかけた。
今年一月にも日本では「廃棄カツ横流し事件」の二ュ-スがマスコミで大きく取り上げられた。しかし、これに関して与野党の議員の誰一人として活動を起こしたという話は未だ耳にしない。
科学・技術や製品の品質などでは、世界のトップクラスと言われる日本だが、議員のレベルはどうだろう。国会議員は国民の、地方自治体議員は各市町村民の生命と財産を守ることが、その第一の使命であるはずだ。最近では経済格差やシングルマザーなど母子家庭の貧困がしばしばマスコミで取り上げられている。にも拘らず議員諸君の誰一人として行動を起こしたという話は耳にしない。彼らはこうした問題には全く無関心のようである。
彼らは新聞を開いても、参議院議員選挙の予測記事しか見て居ないのだろうか。
ramtha / 2016年5月19日