今では情報伝達や画像作成などさまざまな機能を持つコンピューターであるが、広辞苑の定義では今も「計算機。主に電子計算機をいう」としている。
昭和初期の計算は、もっぱら算盤(そろばん)に頼っていたもので、私が初めて計算機というものに出会ったのは、昭和三十年前後、会社の経理部に導入された手回しのタイガー計算機であった。
当時、経理課の若手社員が、ものすごい速さでハンドルを回し、その速さを競っていた風景が想いだされる。
三十年代後半には会社に電子計算機が導入され、電算機室が新設された。
やがて個人用の電卓も現れたが、当初は大型で価格も高く、なかなか手が出なかった。私が購入したのは、昭和四七年で、まだ大きさもB6版の単行本ぐらいあり、値段も一万円近くしていた。その後、忽ち小型化し、値段も千円程度になり、今少し待てば良かったのにと後悔したことである。
その後コンピューターの機能はものすごい速さで進化し、なお進化し続けていることと想われる。
いずれにしても昭和五八年版の広辞苑には見られないコンピューター用語が二五年後の平成二十年版には、インターネット・カーソル・クリック・サイバーテロ・ダウンロード・タブレットなどなど無数に見られる。まさにこの四半世紀を後世の史家は、情報化社会幕開けの時代と位置づけるに違いない。
ramtha / 2017年5月8日