「会議場に入ると異様な雰囲気に包まれて居た」などと使われる異様(イヨウ)は、普通と違っているさまをいう。異(イ)は何を描いたものだろう。
字統によれば、異(イ=ことなる・わざわい)は、鬼頭のものが、その両手を上げている形の象形文字。その形は、ものを翼戴(ヨクタイ=主君を上に戴いて尊敬し補佐する)する形に似ている。畏は異の側身形、ともに鬼頭の畏懼(イク=おびえてびくびくする)すべき神状(神の姿)を示したもので、それより異状・異変・奇異の義を生じる。鬼頭の形は、あるいは仮面であったかと思われると述べているところを見れば、秋田県男鹿地方の「まなはげ」の類であったのかも知れない。
今日では異臭・異称・異状・異常・異性・異姓・異変などと使われている。
ramtha / 2017年7月16日