昨夜の雪で朝雨戸を開ければ一面の銀世界。午前中は長男の車で、上穂波、千手、大隈、稲築と雪見ドライブ。まだまだ歩くところが一杯あるようだ。
午后2時過ぎ、雨が僅かに降っているが傘をさして出かける。伊岐須小学校と中学校の間の道を西へ上る。リョーユーパンの横を流れる蓮台寺川に沿って進む。伊川部落の鎮守の森にある八幡宮に詣でる。隣に浄土宗の三経寺がある。
横浜では曹洞宗や臨済宗など禅宗系のお寺によく出会ったものだが、こちらでは浄土宗のお寺が多いようだ。鎌倉五山の影響で横浜に禅宗系のお寺が多いのは納得できることだか、浄土宗が西に多いのはどういう事だろう。他力本願に志向する精神的な風土があるのだろうか。
そう言えば昔何かの本でこんな事を読んだ事がある。
修学旅行生を泊める東京の旅館の下足番の話で、宿泊の学生が玄関に出て来て自分の靴を探す時、「僕の靴知りませんか」とよく探しもしないで尋ねるのは九州の学生。黙っていつまでも自分で探しているのが東北の学生、ということであった。
温暖な気候に恵まれ、四季農作物の絶えることのない環境に育った者と、一年のうち半年近く行きの中に閉じ込められ、ひたすら耐え忍ぶことを余儀なくされた者の違いに関係のあることだろうか。
「本間様には及びもないが、せめてなりたや殿様に」とうたわれた、雪国酒田の大地主のような富豪、ひいてはそれほどの貧富の格差は九州にはなかったようだし、また考えてみれば橋田壽賀子作NHKテレビドラマ「おしん」も雪国を背景に成立した話であった。
さらに西へ向かう。建花寺~蓮台寺~大日寺と続く往還を横切り、右へ山の中へと進む。ずっと奥の方に蓮台寺から建花寺本村へ抜ける道はないかと考え、立岩焼蓮台寺窯元の先のT字路から左へ進む。
道なりに上って行くと、やがて民家は絶え、桃の木畑へ上がる。道らしきものはなくなり、行き止まりのようなので一旦戻る。
さらに今一度北へ分かれる道を進んでみるが、これも迂回しながら山の中へと入ってしまう。途中に道路工事をしているところがあるが、これが完成すれば建花寺本村へと抜けられるようになるのかも知れない。さらに坂を登って行くと右手に竹林と果樹園、左手に小さなダムがある。その先は又どうも行き止まりのようなので、諦めて後戻る。
往還に出て左へ建花寺安養院の方へ向かう。ようやく雨もやんだ。安養院手前の十字路から右へ伊岐須への道を辿る。雨はやんだがもやが一面に立ちこめ視界は効かない。振り返れば竜王山もそれに続く八木山山塊ももやの中。行く手に見えるはずの一番食品の工場ももやに包まれ定かでない。気温は低いようだが歩いていると寒さはあまり感じない。こんな天候の日の散歩も又悪くない。
相田川沿いの道に出たら先の方に、学校帰りの祐貴の姿が見えたので、追いついて共に帰る。
本日歩行10km
ramtha / 2017年9月11日