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十月二十九日「民主主義と自己主張」

日本人の思考は、自意識は希薄で、環境に身を任せる傾向があるからではないかと思われるほど、感情を表に出さない。

自己主張をしないことを、良いこととする美学があるように思われる。

家内が良く見ている韓国ドラマでは、葬儀の時、大声で泣き叫ぶシーンがあるが、「一升泣き」「二升泣き」など言われる、報酬を貰って泣くことを仕事とする女が居るとも聞いている。

本来、日本では、諺にも「言わぬが花」・「言わぬは言うに弥(いや)勝る」などとあって、俺が俺がと自分を売り出す姿は、卑しむべきものとして軽蔑される。

ところが、近頃では、スポーツ選手が優勝した時ガッツポーズをするなど、人前にいい格好を見せつけたりする傾向が見られる。どうしてだろう。

考えてみると、戦後、アメリカから民主主義とともに持ち込まれた選挙が、こうした傾向を生んだ最大の要因ではないかと思われる。

選挙は、立候補に始まり、その運動期間、選挙区内を隈(くま)無く巡り、選挙民に自分を知ってもらわなければならない。

今では学校のクラス委員も選挙によって選ぶと聞いている。これでは、年中、自己主張を強要され、性格が変わらざるを得ない。

日本人の人格が変わってしまうのとではと気にかかる。

ramtha / 2018年3月31日