最近知人の紹介で来られた60歳代の女性は、
膝の痛みで正座ができないということでした。
症状は正座をしようとしてお尻を下ろして行くと、
踵から30cmほどの所まで来ると膝に痛みが出るとの事。
経過をお聞きしたところ、膝が痛くなってある整形外科を受診し
このように言われたそうです。
「あなたはこれから考え方を変えなくてはなりません。
正座をすると言うことを考えないようにしてください。
永久に正座の事は忘れて下さい。」
実はこの方のご主人もお医者さんなので、
知り合いの4人の整形外科医に相談したそうですが、
答えはすべて同じだったそうです。
これには驚きました。
「痛みの原因が分からないから治せません」と言うのなら分かりますが、
「正座をすることを永久にあきらめて下さい」はないでしょう・・・。
専門の医師にそう言われたら、
多くの患者さんは正座をすることをあきらめ、
日常の不便さを我慢し、痛みに耐え続けなければなりません。
実際、この方も正座の事はあきらめていたそうです。
この方は身体のバランスを調整し、膝裏の筋群を弛める事で
すぐに正座することが出来ました。
このような例は数限りなくあります。
膝の痛みの原因として
「軟骨のすり減り」「半月板の損傷」があげられますが、
痛みの無い「無症状」の膝のMRIを撮った研究では
60歳以上では41.7%に半月板の断裂が見られ、
軟骨の変形もかなり多い頻度で見つかる事が分かっています。
つまり軟骨や半月板に異常があっても
痛まない膝が沢山あると言うことは
研究から分かっているのです。
膝の痛みのほとんどはやはり「筋のトラブル」です。
筋のトラブルを診ることができなければ
我々が感じるほとんどの「痛み」を診る事が出来ません。
一日でも早く、一人でも多くの方に
痛みの本当の原因を知って頂ければと思う毎日です。
ramtha / 2008年10月10日