筋筋膜性疼痛症候群・トリガーポイント施術 ラムサグループ

整形外科と心療内科の間をたらい回し

現代医学には「筋筋膜性疼痛症候群」の概念がありませんので、
構造的な問題がなければ、湿布や痛み止めの治療が続く事になります。

場合によっては心理的な問題があるかも知れないと
心療内科の受診を勧める事もあります。

しかし、心理的な要因で痛みを解決できなければ、
また整形外科へ逆戻りさせられ、
心療内科と整形外科の間を
たらい回しされるという状態が起きています。

具体的な例をご紹介しましょう。

Bさん(54歳 女性)
数年前に腰から背中の強い痛みと
全身性の痛みで整形外科を受診しました。

そのときの検査では器質的な異常が見つからず、
「線維筋痛症」という診断で、
心療内科を紹介されたそうです。

そして抗うつ薬と抗不安薬の服用が始まりました。

気分的に落ち込むときには抗不安剤が功を奏し
数時間は楽になりましたが、
痛みの面にはあまり効果を感じることはできなかったそうです。

良かったり悪かったりを繰り返しながら
2年ほど経過した頃、痛みがさらに強くなり始め、
また整形外科を受診することになりました。

そこで精密検査を受けた結果
「脊柱管狭窄症」「椎間板ヘルニア」の診断を受けました。

そしてこの受診を境に痛みはさらに強くなって行きます。
(診断名が不安を生み出した可能性もあります)

あまりに痛みが強いため入院し、
ブロック注射の治療を長期間受けましたが痛みは変わらず、
「症状から予測される以上の痛みを訴えている」
(心が痛みを増幅させている)と言うことで心療内科へ逆戻り・・・。

その間ご自分の身体のあちこちに
強く痛む「しこり」がある事に気づき、
整形外科でも心療内科でもその「しこり」について訴えたそうですが、
「しこりと痛みは関係ありません」の一点張りで、
まったく受けつけてもらえなかったそうです。

このしこりがトリガーポイントで
Bさんの痛みを作り出している元だったのですが、
結局、筋筋膜性疼痛症候群を治療対象にしている所に出逢う事ができず、
このように長い間痛みで苦しみ続ける事になったのです。

最近では、痛みへの取り組み方も僅かながら進化してきて、
「整形外科医」「心理療法士」「理学療法士」「看護師」などでチームを組み、
様々な側面から痛みに取り組んで行こうとする流れができてきましたが、「筋筋膜性疼痛症候群」の考え方がなければ
良い結果は期待できません。

このような取り組みの中に
「筋筋膜性疼痛症候群」の概念が取り入れられる事を望んでやみません。

ramtha / 2009年8月8日